北重人さんの『夜明けの橋』読了。
この作品は,5編の短編から成っている。
どれも,江戸開府期の社会の混乱と激変の中で,武士を捨てた男たちの生き様を描いている。
この5編の構成がいい。
第1話『日照雨』での「修羅場」,第2話『梅花の下で』の「武士の儀式」
そして最終話『日本橋』での「希望」へとつながる。
「面白いじゃろう。普請は」
「はいっ,力が湧いてきます」
「いいことを言うの。そうよ,力が湧いてくるのよ。普請は力を与えてくれる」
千葉大学工学部建築学科出身。1級建築士で都市計画コンサルタントをされていた北さんならではのセリフ。
そして北さんは山形県出身。やはり藤沢周平氏の影響を受けたのだろうか。
しかし,決して単なる模倣ではなく,しっかりとした『北重人』の作品に仕上がっている。
2009年に61歳で急逝。もっと書いてほしかった。
05月20日(日)18時18分|北重人
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シリーズ化されるはずだったと思うが,これが北さんの遺作。残念。
09月05日(月)09時47分|北重人
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おもしろい設定。うだつの上がらない男のがんばってる感がいい。ただラストがイマイチ。
09月25日(土)11時38分|北重人
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どれも落ち着いた作品集。悪くない読後感。
03月06日(土)13時51分|北重人
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ずしりと重い伝奇小説。北さんの作品を初めて読んだのは『夏の椿』
そのときはそれほどいいとは思わなかったのだが,この作品には引き込まれてしまった。
こんな生き方,死に方があるのかと。
01月30日(土)16時18分|北重人
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