宇江佐真理『なでしこ御用帖』(集英社文庫)
八丁堀の町医者の娘お紺は,娘盛りの十七歳。その楚々とした風情から,なでしこちゃん,とよばれているが,じつは大酒飲みの捕り物好き。それもそのはず,祖父は“斬られ権左”のふたつ名を持つ捕り物名人

なるほど斬られ権左の孫なのか~。
『斬られ権左』を読み返してみようかな。
もちろん, 続編ではないので,読んでいなくても,
ぜんぜんへっちゃらです。
『斬られ権左』も,
宇江佐さんらしい 佳作でしたが,
この『なでしこ御用帖』も, 読後感のいい作品でした。
捕物帖というわけではありません。
ちょっとおきゃんな 町娘の成長記?
01月19日(土)21時11分|宇江佐真理
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『勤番武士の心と暮らし』は一気に読むというたぐいの本ではないので,少しずつ読み進めていくつもり。
本来の読書は小説。宇江佐さんの『彼岸花』をこちらは一気に読了した。
どの作品も人との関わりや別れを通して,新しい人生に踏み出していこうとする主人公を描いている。
第1話「つうさんの家」・・・老婆つうさんに預けられたおたえ
第2話「おいらのツケ」・・・隣人夫婦に育てられた三吉
第3話「あんがと」・・・・・4人の尼僧と尼寺に捨てられたおと
第4話「彼岸花」・・・・・・母と妹を許せないおえい
第5話「野紺菊」・・・・・・痴呆の姑の世話をするおりよ
第6話「振り向かないで」・・親友の夫と不倫するおくら
表題作の「彼岸花」は切ないけれど,残された人々を励ましてくれる。
「つうさんの家」ではおたえがつうさんとの関わりの中から成長していく姿が微笑ましく,最後ではつうさんの限りない愛情が伝わってくる。
「あんがと」はおとに関わる4人の尼僧の個性が楽しい。
やはり宇江佐さんの作品は安定感がある。当たり外れがない。だから安心して読めるし期待通りの読後感をもたらしてくれる。
04月30日(月)10時39分|宇江佐真理
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表題作の『富子すきすき』は吉良上野介の妻富子からみた赤穂事件とその後。彼女の無念さが伝わってくる。
そもそも赤穂浪士の討ち入りは『仇討ち』ではないはず。内匠頭が吉良に殺されたのならば赤穂浪士の行為は仇討ちと言えるが,内匠頭は吉良に殺されたわけではない。
忠義という観点から見れば「殿様は吉良を殺したかった。でも殺せずに自分は切腹させられた。さぞかし心残りだろう。ならば家来の我らが殿に変わって吉良を殺そう。そうすれば殿の願いも叶えられる」ということになるのだが,赤穂浪士の一方的な言い分だと言えなくもない。吉良方にしてみれば迷惑もはなはだしい。
ばかとのでも家来は忠義を尽くす「君,君たらずとも,臣,臣たるべし」の典型か。大石もさぞかし舌打ちしたことだろう。
それでもやはり『忠臣蔵』は日本人の心をくすぐらずにはいられない。
私のお気に入りは1985年の年末時代劇スペシャル。これはよかった。
あおい輝彦演ずる赤埴源蔵徳利の別れ。森繁久弥の吉良上野介が敦盛を舞って討たれる最期。そして最高のシーンが討ち入り直前,里見浩太朗の内蔵助が瑤泉院に別れを告げる南部坂雪の別れ。レンタルでもう一度借りて見てみたい。
もちろんこれらのシーンは『富子すきすき』には出てこないが…。
この『富子すきすき』を含む6作どれも宇江佐さんらしい佳作。
最期の『びんしけん』は私のようなおじさんには心にしみる。
04月15日(日)18時30分|宇江佐真理
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宇江佐さんの『富子すきすき』を読み始めた。
京の町を書かせたら澤田ふじ子さん。江戸の町を書かせたらやっぱり宇江佐真理さん。
どの場面を切り取っても立派な絵になっている。
この作品は6編の短編集。表題作の『富子すきすき』は忠臣蔵がテーマのようだが,これは3作目に登場する。まだ最初の2編『藤太の帯』『掘留の家』を読み終えたばかり。
『藤太の帯』は町娘たちのあいだを巡っていく,俵藤太の百足退治の柄がほどこされた帯の不思議。
『掘留の家』は同じ境遇に育った若者と娘の運命と心憎い結末。
残り4編。読んでしまうのがもったいないような期待感でいっぱいだ。
04月14日(土)22時08分|宇江佐真理
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おちゃっぴいの続編。どれも良い。もう1作続編を読んでみたい。
07月15日(金)09時14分|宇江佐真理
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