てっきり長編だと思っていたら,まったく意外な手法だった。
利休に関わりのある人物の彼とのエピソードが綴られた24編の連作集になっている。
24編のうち利休が7回(宗易・千与四郎の名で2回),秀吉が3回,宗恩・宗陳が各2回登場するので,すべてで14人ということになる。
この24編を1編ずつ読むにつれ次第に『利休の美学』が解き明かされていくのだろう。
ところが24編にはそれぞれ表題がつけられているのだが『利休にたずねよ』という表題はない。
いったい何を「利休にたずねよ」というのだろう。その答えを探すのも楽しそうだ。