ところが,先週は土日とも出勤。普通日もとんでもなく忙しくて読書をする元気がなかったんです。
そこで仕方なく,返却に行く家内に「4冊のうち,読了した『ええもんひとつ』と『城は踊る』それと未読の1冊は返却。でも読みかけの『とまどい関ヶ原』はいったん返却して再度借りる」ように頼みました。
その岩井三四二さんの『とまどい関ヶ原』をようやく読了。
岩井作品の魅力のひとつは,なんといってもそのタイトル。
『難儀でござる』や『たいがいにせえ』が目をひきますが,
『竹千代を盗め』
『大明国へ参りまする』
『清佑,ただいま在住』
この3作品は,タイトルの魅力だけでなく,内容的にもタイトル通りの期待を裏切りません。
もちろん,
『銀閣建立』や『亀井琉球守』など,まとも(?)なタイトルの作品は,しっかりとした読みごたえが得られます。
今回の『とまどい関ヶ原』もタイトルの魅力は十分。
関ヶ原の決戦で,大阪方か徳川か? 生きるか死ぬかの決断を迫られて・・・ハタから見れば滑稽なほど,でも当人は大まじめ,という,なにか身につまされるような登場人物の姿が浮かんできそう。
ただ,読後感としては,ちょっと・・・滑稽さが伝わってこなかったかな。というより,滑稽さを狙ったわけではないのかも。
でも,,読み手としては,そのタイトルからそれを期待したんだけど・・・。