その総持院が、両子(ふたご)寺。

六郷とは、両子山を中心とした6つの郷。
満山とは、そこに築かれた寺院群。
平安末期には約1000の伽藍があったらしいけど、
現在は33の寺院が点在してる。

数万年前の両子山の大噴火のため、
このあたりは巨石が多いんですよ。
この奥の院も、そんな巨石の中に建てられてる。

かつて、山伏は石窟に寝泊まりしながら
修行してたんだ。やがてそこに
お堂を建てるようになったんだね。

平安時代は、ここで仏を刻んでたのかな。
普段はけちん坊の奥方様が、
ロウソク買って、敬虔な面持ちで手を合わせる。

何を祈ったんですか?
まさか・・・・、子宝じゃないですよね?

そりゃそうだ、家内安全。それが一番だもんね。
とはいえ、じつはこの両子寺。
子授けのお寺としても有名なんですよ。

お堂の正面右側、金色の輪が見えます?
ズームするとこんなふうに。

この2体の神様(神仏習合のため、仏様じゃない)は
両所大権現様という男女の双子なんです。
両子山の名称もここから来てるらしいですね。
さらに、洞窟を胎内に見立てるという意味もあるんだとか。

昔、双子は忌み嫌われることもあったんだとか。
そんな時代に生まれなくてよかった。
でも、そんな時代じゃないはずなのに、
今日も世界のあちこちで、
生きることを絶たれてしまった子どもがいるんですね。

みんなに祝福されて生まれ出て、
みんなに慈しみ愛されて育つはずだったのに。