by真兵衛
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『富子すきすき』ああ,忠臣蔵

表題作の『富子すきすき』は吉良上野介の妻富子からみた赤穂事件とその後。彼女の無念さが伝わってくる。

そもそも赤穂浪士の討ち入りは『仇討ち』ではないはず。内匠頭が吉良に殺されたのならば赤穂浪士の行為は仇討ちと言えるが,内匠頭は吉良に殺されたわけではない。
忠義という観点から見れば「殿様は吉良を殺したかった。でも殺せずに自分は切腹させられた。さぞかし心残りだろう。ならば家来の我らが殿に変わって吉良を殺そう。そうすれば殿の願いも叶えられる」ということになるのだが,赤穂浪士の一方的な言い分だと言えなくもない。吉良方にしてみれば迷惑もはなはだしい。
ばかとのでも家来は忠義を尽くす「君,君たらずとも,臣,臣たるべし」の典型か。大石もさぞかし舌打ちしたことだろう。

それでもやはり『忠臣蔵』は日本人の心をくすぐらずにはいられない。
私のお気に入りは1985年の年末時代劇スペシャル。これはよかった。
あおい輝彦演ずる赤埴源蔵徳利の別れ。森繁久弥の吉良上野介が敦盛を舞って討たれる最期。そして最高のシーンが討ち入り直前,里見浩太朗の内蔵助が瑤泉院に別れを告げる南部坂雪の別れ。レンタルでもう一度借りて見てみたい。

もちろんこれらのシーンは『富子すきすき』には出てこないが…。
この『富子すきすき』を含む6作どれも宇江佐さんらしい佳作。
最期の『びんしけん』は私のようなおじさんには心にしみる。
真兵衛
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