by真兵衛
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『ええもんひとつ』万年筆の思い出

真之介とゆずが営む道具屋「とびきり屋」
そこへ居候然とあらわれる坂本龍馬。

龍馬「道具を買うときの極意っちゃ,なんじゃろう」
ゆず「一番ええもんひとつだけ買うことです」

その「ええもんひとつ」で思い出したのが『万年筆』

毎日1~2時間程度デスクワークがあるのですが,当然パソコン。
でも私が仕事に就いた頃は,パソコンなど目にしたこともなく,ワープロがようやく登場した時代。
ところがこの頃のワープロ,細長い検索窓のような画面があって,そこにたった1行,15字程度の文字がぼんやり。つまりそれがディスプレイ。
そんな代物ですから使いにくいことこの上なく,当時の主流はなんといっても『タイプライター』
ガシャガシャっと1文字ずつ打っていくんです。これも時間がかかる。だからこれは対外的な文書作成用。
内部文書の作成は手書き。

この手書き文書ですが,ボールペンではダメ。万年筆なんです。
なぜか「文書は万年筆,ボールペンはメモ書き」みたいな不文律があったのだと思います。

私は千円程度のスタンドペンのような万年筆を使っていました。使い捨てのようなものです。
そんなある日,先輩が,
「高い万年筆を買いなさい」
さらに続けて,
「安物を使っていては,どうせ安物だからと雑な使い方をしてしまう。当然字も雑に書いてしまう。でも高いものだとペン先を傷めないようにていねいに字を書く。それがお前のためになる」

その先輩を尊敬していた私は「なるほど」と納得。
だからといって先輩が買ってくれるわけではなく,有り金持って万年筆専門店(当時は田舎にもそういうお店があったんです)へ直行。

国産は「パイロット」がトップ。続いて「プラチナ」「セーラー」の順だったかな。
でも憧れはドイツの「モンブラン」「ペリカン」イギリスの「パーカー」の3大ブランド。
私が買ったのは,ペン先はもちろん18金,外装は純銀の「パーカー」
5万円くらいしたような。当時の給料10万ぽっきり。

次の日先輩に「えっ,ほんとに買ったのか!」と言われたのには参りましたよ。
でも先輩の言うとおり,たしかにていねいに字を書くようになりました。なにしろ給料の半分ですから,壊したら泣くに泣けないですよ。

でも,それからすぐに実用的なワープロが次々登場。さらにパソコンへ。

万年筆を使わなくなって何年になるだろう。そしていつの間にかこの「パーカー」も行方不明に。

真兵衛
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